院長のコラム
Column 21 - 25 of 96
Previous | 1, 2, 3, 4, 5, 6, 7, 8, 9, 10, 11, 12, 13, 14, 15, 16, 17, 18, 19, 20 | Next
在宅医療
今から30年ほど前まで田舎では、自宅で出産や最期を迎えることは極々当たり前でした。昔の日本映画などを見ると、医者が患者宅に往診して畳の部屋で布団に寝ている患者の最期を看取り「ご臨終です」という場面がよく出てきます。まさにあの映画のワンシーンそのものが、つい最近まで行われていました。
それが、交通機関の発達とともに、遠方の病院まで受診することが可能になり、それに伴い入院して、病院で最期を迎えるのが一般的になってきました。
しかし近年、再度、在宅医療が見直されています。理由は、医学知識のない一般の方にも安心して使用できる小型軽量化された医療機器が登場したことと、社会保障費の増大からです。自宅で病気を治療する在宅医療は、21世紀の医療を支える重要な位置になってきたのです。
インフルエンザの歴史3
インフルエンザウイルスは新しい型が出現すると古い型は駆逐されていくという性質があります。1977年に再びH1N1ウイルスが出現しました。ソ連風邪といわれ今日に至ります。このウイルスは1918年に流行したいわゆるスペイン風邪の末裔で1950年代迄続いたH1N1ウイルスと遺伝子型がそっくりでした。30年近く経過し再び出現したのです。ウイルスは形を変化させるため、同じ型が現れることは極めて稀なことです。これには諸説ありますが、人為的にサンプルが流出したためと今では考えられているそうです。それが今日に至るまで流行し続けているのです (河岡義裕:インフルエンザ危機)。実験中のウイルスの流出が世界中を恐怖に落とし入れるとは考えてみると恐ろしいことです。エボラ出血熱ウイルスなどがばら撒かれたらとんでもないことです。
インフルエンザの歴史2
インフルエンザウイルスはA、B、Cの3型がありますが、人に対して病原性を持つのはA及びB型です。H、Nは、ウイルスの主要抗原をあらわします。H抗原は15種類、N抗原は9種類、自然界に存在しています。
1918年に流行したH1N1スペイン風邪ウイルスは約40年間続き、'57年のH2N2アジア風邪ウイルスに置き換わりました。'68年にはH3N2 ホンコン風邪ウイルスが出現、現在は、このタイプと'76年に再復活したH1N1ソ連風邪ウイルスが流行しています。新型インフルエンザH5ウイルスの出現が心配されていますが、アジア風邪のH2N2抗原ウイルスは、30歳以下の人は免疫が無く、再び復活すると困ってしまいます。しかし、自然界では新型が出現すると、古い型はなぜか駆逐され入れ替わってしまうとされています。続きは次号へ。
インフルエンザの歴史
新年明けましておめでとうございます。昨年は例年になく、嘔吐下痢を伴う感染症が流行しました。これからの季節は、インフルエンザの動向に注意したいものです。
そもそもインフルエンザは日本でどのように流行したのでしょうか? 江戸時代には27回の流行があったそうです。そのほとんどが、西に位置する長崎から発生し、次第に中国、関東地方と、東へ流行していったのです。長崎は当時、唯一外国との貿易がありました。このことも、インフルエンザが外国からの伝染病と診断する根拠となるわけです (立川昭二・病と人間の文化史)。
200年以上経過した現在も、我々はこの病に悩まされています。ウイルス感染は一度発生すると、数百年ないし今は消滅した痘瘡のように1500年間も続くのです。まさに人類の歴史は病との闘いの歴史でもあるのです。
病院改革5
最近は電子カルテなるものが蔓延し、医療界も様変わりしてきました。将来、病院間をインターネットで結び情報を共有し、無駄をなくしていこうという主旨ですが、80歳にもなる私の父のようにコンピュータに触ったことがない医者は診療ができなくなる可能性があります。今、国全体が税収不足で、医療業界もその影響をもろに受けています。国民皆保険始まって以来の危機的状況です。今後、病院、医院の更なる合理化が迫られることでしょう。私達医者は生き残りをかけていかねばならないのです。
保険制度が浸透していない私が子どもの頃、近所の人がよく野菜を持ってきました。父が「ああ〜、いつもどうも」と、ありがたく受け取っていたのを記憶しています。今後そんな光景が見られないのは寂しい限りです。
医は仁術を忘れないようにしたいものです。
病院改革4
子は親を見て育つと昔から言います。小さい時などは親の苦労などはこれっぽっちも考えたことなどありません。しかし、結婚して子どもをもうけ育てていく過程で生きていくのがいかに大変かわかってきます。私は父親のもとから離れ、新天地で開業し今日に至ります。その間良いことも悪いことも含め様々な経験をしました。しかし、子どもの頃見た父親を未だに越すことが出来ません。車も使えない大雪の日の深夜、しんしんと降る静寂な雪の夜道を歩いて往診する姿、抗生剤のショックで事故があった時、パトカーから降りる父親の姿、医者は神様じゃないと患者に怒っていた記憶など、決して泣き言も言わず仕事をしていた姿は今も焼きついてます。怖い存在でしたが、父もそれなりに緊張していたのでしょう。私が経験した苦労などたいしたことが無いのかもと思えます。
病院改革3
今日の自分に影響を与えた子どもの頃の出来事があります。小学校1〜2年生の頃のある夕方、血だらけの子どもを抱えた母親が突然家に飛び込み「先生〜!先生〜!助けてください〜。車にはねられたんです」驚いて見ると子供は頭がぱっくりと割れて「痛いよ〜。痛いよ〜」と泣き叫んでいました。昔は脳外科専門の病院など無く紹介先の病院に着く前にその子は亡くなったそうです。時々今でも思い出します。この事件の前後「川でおぼれた子どもが引き上げられたので、すぐ来てくれ」と連絡が入り兄と私は父の車に同乗しました。私は怖くて川を渡ることができませんでしたが、一つ違いの兄は父と一緒に行きました。が、既におぼれた子どもは息を引き取っていました。数年後兄が同じ運命をたどるとは夢にも思いませんでした。40年も前のことですが忘れない出来事です。
病院改革2
今回も前号の続きです。昭和40年代は既に国民皆保険の時代でした。日本医師会は武見太郎氏を筆頭に絶大な勢力を保っていました。一方、我が父は政治経済には全くといっていいほど興味がなく相変わらず村民のために休みなく働いてました。それは、今は亡き祖母の影響が強かったと思われます。同じく医者だった祖父は東北医専を卒業後上京し、一時町医者をしていたそうです。その後郷里に戻り家を継いだのですが、風邪をひいて大層調子が悪かった大雨の夜、家人が止めるのも振り切り往診に出かけそれが元で肺炎になり、45歳の若さでこの世を去りました。一家の大黒柱に先立たれた祖母は自ら畑に出てお金を稼ぎ、父を医者にしました。父はそんな祖母の苦労を知ってか、家という存在と自分達を助けてくれた村民を守るのが自らの使命と思ったに相違ありません。
病院改革
今回は私事で恐縮です。現在国の借金は膨大になっており、その影響が医療にも及んできました。その結果、病院が減少してきているのです。したがって、通院できない患者さんは路頭に迷ってしまいます。ところで、私の父は今も山村で開業医をしています。私が子どもの頃、大雨や降雪の日でも呼ばれれば深夜往診しました。日曜日も診療をやっていたので、父と旅行したり遊んだという記憶がほとんどありません。父も祖父が医者だったので、医者とはそういうものだと思っていると思います。私も開業して、医療の基本は患者さんに安心感を与えることだと実感していますが、父のように生涯を患者さんのために尽くすのは、相当な決意と努力が必要です。都会の中では人間関係が希薄になりがちですが、私自身、初心に戻り、地域のためにお役に立ちたいと思うこの頃です。
暑さと冷えの病
7月、暑い夏がやってきます。この時期は暑さのため冷水ばかり飲み、食欲が落ちこみます。加えて、冷房による冷えが加わり、体調がすぐれない人が増えます。まずは睡眠を沢山取り、体力を養うことです。脱水気味だからといって水分ばかりでは、体がだるくなります。電解質が入った飲料水も良いでしょう。塩分摂取の手軽なところでは梅干がお勧めです。もちろん高血圧症の方は注意が必要ですが、大量の汗をかいたのに、塩分摂取を控えるのは逆に危険です。また、この時期は、夜間に布団をはいでお腹を冷やし下痢をおこす人も多いのです。夜は腹巻をして体を冷えから守りましょう。どうしても冷えてお腹の調子が悪い方には、漢方薬をお勧めします。お腹や下半身を温め湿気を取り、冷えを改善させてくれます。10年来の下痢が漢方薬で軽快した人もいます。
梅雨と病
6月、梅雨の時期です。湿気で洗濯物が乾かず主婦泣かせの時期でもあります。この湿気が東洋医学では問題になります。
湿気が溜まり、関節が痛んだり、お腹が冷えて下痢をするなどの影響が出てきます。湿の性質は下に沈み、停滞しやすいのです。したがって、下肢の浮腫、湿疹、重だるいなどの症状が伴います。また、冷えを伴いやすくなります。
体に余分な水分が溜まっているかどうかを簡単に判断する方法は、舌を鏡で見ることです。湿が存在すると舌には厚い苔がびっしりと生えています。このような時は、湿を取る薬を使うと徐々に厚い苔が取れていきます。すなわち、梅雨の時期になると胃腸の調子が悪くなったり関節が痛んだりという方は、温めて、湿気を取ればよいのです。
「腹も身のうち」と昔から言います。冷やさないようにしてください。
漢方薬について
5月、初夏を感じさせるこの頃です。人は常に健康でありたいと思うものです。特に年齢を重ねるとその思いは強くなるようです。日頃から規則正しい生活をして食べ過ぎに注意し、よく歩くことが大切です。それでも病はついてまわります。そんな時は、漢方薬を服用することをお勧めしたいと思います。漢方薬は器質的疾患がない場合にはよい適応になります。病の状態があっていれば、即効性があることもしばしば経験しています。
「漢方薬は副作用がないから安心」という方がいらっしゃいますが、漢方も薬ですから副作用は存在します。その多くは胃腸障害です。私がお世話になった東邦大学大森病院東洋医学科教授三浦於菟先生によると副作用の80%は服用3日以内、長くても1週間以内に出現するようです。胃腸の弱い方は地黄、阿膠などは注意が必要でしょう。
花粉症(2)
春眠暁を覚えず。春は生命が息吹く季節です。温暖で過ごしやすい時期ですが花粉症の人にはつらい季節です。漢方薬は効果に時間がかかると多くの患者さんが言いますが、証が合えばよく効くものなのです。生薬の種類によっては、即効性のものもあります。麻黄は呼吸が苦しい時、鼻水がよく出る時に用いますが、花粉症薬としても使われます。葛根湯、小青竜湯などに含まれています。また、眠気を訴えないため自動車の運転や受験生にもお勧めです。お世話になった東邦大学大橋病院東洋医学科教授の三浦於菟先生は花粉症のタイプを3つに分類して薬を使い分けています。すなわち体が冷えた状態の寒証、逆に体が熱い状態の熱証、寒さと熱さが両方ある場合の寒熱両証です。それぞれの場合に体を温める薬、冷やす薬、両方の薬を同時に投与する場合があります。
花粉症
3月、待ちに待った春です。しかし花粉症の人には憂鬱な季節です。一般的にはスギ花粉が飛散する1ヶ月以上前から抗アレルギー剤を服用することとされています。できるだけ根気強く飲み続けることです。それでも現代薬に抵抗がある方には漢方薬をお勧めします。漢方薬は効き目が緩やかで長く飲まないと効果が出ないと思っている方が結構いらっしゃいますが、実際は漢方薬で軽快した人も多いのです。花粉症薬でよく知られている漢方薬に小青竜湯という薬があります。これは冷え性があって透明な鼻水が出る方に効果がありますが、中には舌、咽喉の発赤を伴う人もいらっしゃいます。この場合、体を冷やす漢方薬が効果的です。その中で冷えと熱が同時に存在するタイプがあることが私がお世話になった現東邦大大森病院東洋医学科三浦於菟先生の研究でわかっています。
インフルエンザ
インフルエンザが大流行したその年は、死亡率が著しく増えるという報告があります。世界的な規模で流行すると、世界の人口分布にまで影響を与えてしまうのです。
インフルエンザの型の流行を予測するのは、例年4月とやや早めです。これは、ワクチンの製造に時間がかかるためです。しかしその年、流行するかどうかの予測は大変難しいです。それはウイルスの型の問題もあったり、私たちの免疫の状態にもよるからです。現在予防に対してはワクチンがありますが、実際かかってしまった時は、抗ウイルス薬がわが国では好んで使われます。問題は、幼児に対して、解熱したからといって2〜3日投与で中止すると耐性ウイルスが生じやすいのです。これは、幼児には免疫がないためにウイルスが増加しやすいためと考えられています。(インフルエンザ危機・河岡義裕)
新型インフルエンザ2
明けましておめでとうございます。さて、新型インフルエンザの発生が叫ばれていますが、何故ウイルス学者はそう考えるのでしょうか? インフルエンザウイルスは新しい型が登場すると、それまで保っていたウイルスの勢力が消えてしまうという特性があるのです。過去にも例があるように1918年に世界的大流行を引き起こしたスペイン風邪は、その後40年間世界各地で流行した後、アジア風邪、香港風邪へととってかわっていったのです。現在のところこのメカニズムはよくわかっていませんが、古い型と新しい型のウイルスが争うと、必ず新しい型が従来の型を駆逐します。過去の経験からも春に小流行を繰り返した後、秋に爆発的大流行になるようです (インフルエンザ危機:河岡義裕)。ですからアジアの危険地域への旅行はできるだけ避けたほうが良さそうです。
新型インフルエンザ
インフルエンザの季節になってきました。インフルエンザウイルスはRNAウイルスのため、遺伝子を複製する時に間違いが生じやすいという特徴があります。その結果、姿の変化したウイルスがより強毒化することがあります。また、インフルエンザウイルスは他のRNAウイルスよりも非常に感染力が強いということです。従って容易に周囲のものに飛沫感染を起こしやすいのです。現在テレビ、新聞でアジアを中心に騒がれている鳥インフルエンザの危機はもう対岸の火事ではすまされない状態です。もし、人人感染が流行し始めたら、日本中がパニックになるだろうと専門家は予測しています。私達にとっては未知のウイルスですが、従来のようにマスク、手洗いに励み、人込みを避ける、十分な睡眠をとり免疫力を保つことが、新型インフルエンザ対策になりそうです。
癌と運動6
慢性的な酸素不足が癌発生に関与する説を唱えたのは、ドイツのワールブルクです。血液循環不足が慢性的に続く状態、例えばデスクワークでタバコを一日中ふかし、カロリーの高い食事をとり、運動をほとんどしない場合を指します。すなわち癌も生活習慣病の一種なのです。したがって、適度な持久運動と少食を心がけ、食後の十分な休息、運動は空腹時にすることが癌予防になります (小山内博労働科学研究所)。
私も、この11月で冷水浴を始めて1年になります。初めは寒くて気が重かったのですが、今はまだ水が生ぬるいせいか、1分間は冷水をかけられるようになっています。一番目覚しく変化したのは子どもです。風邪を引きにくくなったことでしょうか。引いても長引かなくなったのには驚いています。冷水浴とインフルエンザワクチンで冬を乗り切りたいですね。
癌と運動5
私達の体は60兆個もの細胞から構成され、各々1個の細胞には10万個の遺伝子が存在しているとされています。しかし、全ての遺伝子が活動しているわけではありません。中には休んでいる遺伝子もあります。活動中の遺伝子と休止中の遺伝子がお互いに規律を守り、勝手に増殖しないようにできているのです。以前胎児時代に活躍して今は休止中の遺伝子が、無酸素状態に陥った時に再び活発化し増殖するのが癌細胞だろうと考えられるのです (小山内博元労働科学研究所所長)。
AFP、CEAと呼ばれる癌のメルクマールの胎児性蛋白は生後急激に減少します。これは胎児時代に盛んに作られた蛋白質です。癌になると増加するのはやはり胎児時代の遺伝子が働いているためでしょう。さて、何故酸素不足が癌の発生に結びつくのでしょう。
次号へ続きます。
癌と運動4
「癌は細胞の酸素不足が引き金になる」ードイツの細胞生理学者ワールブルクは、何らかのきっかけで体が酸素不足に陥ると、胎児時代の遺伝子が活動する細胞へ変化し増殖を開始する、すなわち癌になる説を打ち立てています。癌細胞は殆ど酸素を使用しないことに注目しました。そこで彼は胎児に目をつけたのです。母体で受精した受精卵は数mgの大きさから、10ヶ月で約3kgにまで成長します。そのスピードはまさに癌細胞のようです。しかし、生まれたとたんその成長は鈍化し、体重が60kgになるまで約20年もかかります。胎児は母親の胎内では殆ど酸素を消費していません。出産後、酸素呼吸を開始します。何かのきっかけで再び酸素不足になると、酸素が不足しても生きていける胎児時代の遺伝子が活動し、増殖を開始するのです。(小山内博:元労働科学研究所)
癌と運動3
日本では、昭和40年代の高度成長と共に、胃癌発生率は減少していきました。これは機械化による労働負担の減少が考えられます。一方で、肺癌の比率は増加傾向に転じてきております。これは日本だけでなく米国にも同様の現象が見られます。1930年代、胃癌は癌全体の30%を占めていましたが、現在は2〜3%まで低下しました。日本人一般に通じるせかせかした生活と、米国のゆったりとした生活習慣の違いが表れているのかもしれません。肺癌に続き大腸癌も増加傾向にあります。肺癌と喫煙の関係が一般的に取りざたされていますが、1日20〜40本を数十年間吸っていても癌にならない人もおり、一概に喫煙が癌の原因だとは特定できていません。一方、運動不足による血液循環の悪化が関与していることは実験で証明されています。(小山内博元労働科学研究所)
癌と運動2
癌の原因には、化学物質、遺伝子説等がありますが、現在ピロリ菌と胃癌の関係がホットな話題です。我が国では40代以上の成人の70%にも及ぶ人にピロリ菌が存在するといわれています。この菌と食後の運動の疫学的調査は不明ですが、食後に強いストレスを受けたり興奮すると、消化中の胃の血液が分散して胃内は消化不良になり胃壁が損傷されやすくなります。したがって、食後は2〜3時間ゆっくり休息を取りたいものです。しかし現代はそんな悠長に休んではいられないため、少食にして胃内の消化量を減らせばよいのです。そうすることで消化不良や胃もたれを防止できます (小山内博元労働科学研究所)。以前は糖尿病の患者さんには食後の運動を勧め、実際に私も8年間食後のランニングを試みてきました。今は脂肪動員のための空腹時の運動に変えました。次号へ
癌と運動
日本人には、昔から胃癌が多いのは有名です。昭和30年の和歌山地方で、林業に携わる労働者に胃癌の発生率が極端に高かったという話があります。当時チェーンソーなどは無く、のこぎりで朝から晩まで木を切っていました。食事といえば茶がゆを100杯前後取り、休む時間もままならないうちに労働をしていたのです。しかし、そのうち機械化が進み、労働者の負担も減るとともに胃癌の発生も減少したといいます。そこには驚くべき視点がありました。それは茶がゆの成分が癌発生に影響したのではなく、食後十分な休息を取らずにきつい労働をした結果、血液が胃から筋肉へ流れ、そのため消化不良になり胃液が粘膜を傷つけるため、癌発生の要因になったというのです (小山内博元労働科学研究所)。つまり食後の休息が不十分だと胃癌が発生しやすいというのです。次号へ。
端午の節句
5月5日は端午の節句です。端午とは月の初めの午の日を意味し、音が同じで5日となり、奈良時代から続く行事です。5月は菖蒲が咲く時期で、昔からこの花は病気、災厄を防ぐ効果があるとされ、尚武や勝負と結びつき、丈夫な男子の誕生にお祝いする行事になっていったのです。
さて、花粉症も一段落しましたが、現代はアレルギー疾患と呼ばれるものがたくさん存在します。アレルギーは2回目以降異物が体内に侵入した時免疫が過剰に反応する状態ですが、体はうまくこの状態をコントロールします。これに関与するホルモンの一つに副腎ステロイドホルモンがあります。この分泌がうまく行われると過剰反応が抑えられ正常な免疫機構が働きます。冷水浴はその副腎を刺激しアレルギー性疾患を抑えてくれる可能性があるのです。冷水浴が子どもを元気にします。
副腎とアレルギーの関係2
湿疹、虫刺され、喘息発作のひどい時ステロイドホルモンを使うと効果てきめんですが、私たちには元々このステロイドホルモンが体内に存在しています。豊かな生活、温暖な生活がこの副腎の機能に変化をきたし、アレルギー疾患が増えてきたと言います (小山内博元労働科学研究所)。その副腎の機能を発揮させる一つの方法に冷水浴があります。十分にお風呂で温まった後、水道の水を体にかけるやり方です。風呂桶なら10〜20杯、シャワーなら1分間かけます。小山内先生によるとこの冷水浴で花粉症以外に慢性肝炎、腎炎、関節リウマチにも効果が見られたとあります。もちろん子どもの方が成長段階にあるため効果はあります。ただし、高血圧症、狭心症の方は十分注意が必要です。まずは膝下から冷水をかけることから始め、慣れたら徐々に体にかけていくのです。